「飲みにでもいこうか」
久しぶりに父から飲みに行こうと誘われ、二人で居酒屋へ飲みに行く事に。
親父と飲みに行く事なんて滅多になかったので、久しぶりの誘いに驚きましたが、何か話したいことでもあるのかと思い付いていきました。
普段、家に居る時は家族間であまり話したりはしないので、ちょっぴり照れくさい感じも。
二人で日本酒を飲み、たわいない話をあれこれしてお互いほろ酔いになった所でそろそろ帰る事に。
店を出て、少し千鳥足になりながら夜道を散歩して帰ろうとした時…
「忘れ物した…ちょっと待っててくれ」
そう言って店へ戻って行きました。
僕は、店前のベンチに腰掛け親父を待っている事に。
すると突如店に入っていった親父から着信が鳴り、何だろうと電話に出ると何やらかなり慌てている様子。
おい!
急いで店に入って来てくれ!
早く戻ってこい!
緊急事態かと思い急いで店にかけ戻ると、なんとそこには想像もしていなかった光景が広がっていたのです…
居酒屋で久しぶりに親父とお酒を飲み、ほろ酔い気分で店を出た所で、店内に忘れ物をしたと戻る親父。
店前のベンチに腰掛けて待っていると、何故か店内へと入って行った親父から着信が…
「何だろう?」
そう不思議に思いながら電話に出ると、
おい!
急いで店に入って来てくれ!
早く戻ってこい!
何事かと思い、急いで店内へかけ戻るとそこには想像もしていなかった光景が待ち構えていたのです。
誕生日おめでとー!
驚いただろ!?
そこには、ついさっき店内へ戻って行った親父とスタッフ全員、それどころかさっきまではいなかったはずの母親や、僕の友達までもが勢ぞろいしていたのです!
一体何なのか唖然とする僕に、母親が話します。
驚かせてゴメンね。
お父さんが、あなたの誕生日を皆でサプライズしてお祝いしてあげたいって前々から言ってたの。
それで、皆に無理言って今日駆けつけてもらったのよ。
だからね、お父さんが「飲みに行こう」って誘ったところから、もうサプライズがスタートしていたのよ!
まさかのサプライズと、クラッカーの音で頭がぼーっとする中、皆が改めておめでとうと祝福をしてくれました。
自分でも、誕生日だなんてすっかり忘れていただけにとても嬉しかったのですが、何より今まで親父にこういった事を一度もしてもらった事がなかったので驚き。
皆でもう一度飲み直す事になり、親父が少し照れくさそうに僕の隣に来てこう話ました。
お前も父親になるんだなぁ。
子ども、楽しみにしてるよ。
俺は、お前にあまり良い思い出を作る事が出来なかった父親だったが、お前はそうはなるな。
子どもが喜ぶ事をしてあげて欲しい。
来週、僕には長男が生まれてくる予定です。
親父と同じ、父親になる僕への親父なりのプレゼントと、親父としての言葉だったのだと受け取りました。
「お前は俺の様にはなるな…」
僕は、親父のような親父になりたい。
そう強く決意したのでした…
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